久々に、一気読みする面白さの小説でした。
最後まで読まないと物語の芯としてあるストーリーが理解できない構成や伏線。
それが気になって、思わず読み進める小説でした。
失踪した音楽家の父を捜すため、西海岸の難関音楽学校を受験する脩(シュウ)。そこで遭遇する連鎖殺人――「アメリカ最初の殺人」とは? ピアニストの脩が体感する〈音楽の神秘〉。才能に、理想に、家族に、愛に――傷ついた者たちが荒野の果てで掴むものは――西海岸の風をまとって、音楽が響き渡る……著者新境地のサスペンス長編。
SF要素、サスペンス要素、音楽バトル要素が含まれたエンタメ要素満載なのに、淡々と進む文体。
特に音楽バトルシーンは、『音』を感じられる描写が凄いなーって思いました。
小説で音楽をイメージさせるって難しいと思いますが、登場人物それぞれの音楽性がしっかり描かれているので、それが音楽バトルをわかりやすくしているのかなーと思いました。
それを補強するのが、物語のキーとなる楽器『パンドラ』の存在。
特別な楽器が、主人公たちを繋いでいき、物語の核心へ導きます。
そして、徐々にあかされる登場人物たちの過去や経歴とつながり。
主人公の脩(シュウ)がアメリカに来た理由の一つに父親を探すという目的があります。
その父親に繋がる楽器『パンドラ』。
登場人物たち。
ストーリーが進むに連れ、父親に近づいていく。。
そう思った矢先。タイトルの『アメリカ最後の実験』が起こるミステリー要素。
ちょっといつもと違うミステリーを読みたい方にオススメな小説です。
著書の宮内悠介さんは、wikiによると、日本の小説家・SF作家。日本SF作家クラブ会員。日本推理作家協会会員。と記載されています。
だから、SF要素を感じ、ミステリー要素も感じられるのだなーと納得しました。
著書一覧をみると他にも、面白そうな作品があったのでもう少し著者の作品を掘り下げてみようかなーと思いました。
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